はじめに:「これってわがまま?癇癪?」と迷ったことはありませんか?
子どもが泣き叫んだり、怒ったりする場面に直面したとき、
「これはただのわがまま?」「それとも癇癪(かんしゃく)?」と戸惑った経験はありませんか?
一見似ているように見える**「わがまま」と「癇癪」ですが、実は原因や対応方法がまったく異なる**場合があります。
この記事では、保護者や支援者の方が知っておきたい、
「わがまま」と「癇癪」の違いと正しい対応方法を、わかりやすく・実例付きで解説します。
「わがまま」とは?〜欲求を伝える自己主張
子どもの「わがまま」は、自分の欲しいものややりたいことを通したいという自己主張です。
🔹よくあるわがままの例:
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「お菓子買って!」「今日もゲームしたい!」
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「これじゃなきゃイヤ!」
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「もっと遊びたい!」など
子どもなりに考えがあり、意思や目的がはっきりしているのが特徴です。
✅わがままへの対応ポイント
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ルールを一貫して伝える
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要求を叶えるのではなく、気持ちに共感しつつ境界を伝える
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「◯◯したい気持ちは分かるよ。でも今日は買わないよ」など、簡潔な説明を繰り返す
「癇癪(かんしゃく)」とは?〜感情が爆発してしまう状態
「癇癪」とは、子どもが自分の感情をうまく整理できず、パニックのように爆発してしまう状態です。
🔹癇癪の行動例:
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泣き叫ぶ、怒る、暴れる
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床に寝転ぶ、物を投げる
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「もうイヤだ!」と混乱する
このような行動は、子ども自身も**「どうしてこんなにイライラするのか」が分かっていない**ことも多く、
不安・混乱・疲労・感覚過敏などが原因の場合もあります。
✅癇癪への対応ポイント
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まずは安心できる環境を整える(静かな場所に移動するなど)
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感情に共感の言葉をかける:「イヤだったね」「悔しかったんだね」
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落ち着いたあとに、気持ちと言葉をつなげる練習をする
【比較表】「わがまま」と「癇癪」の違いまとめ
項目 | わがまま | 癇癪 |
---|---|---|
原因 | 欲求を通したい | 感情をコントロールできない |
状態 | 意思が明確 | 本人も混乱していることが多い |
行動 | 要求を伝える | 泣く・叫ぶ・暴れる |
対応 | 冷静にルールを伝える | 気持ちを受け止め、安心させる |
癇癪の背景にあるもの:発達特性や感覚の敏感さ
癇癪が頻繁に起こるお子さんの中には、次のような要因を抱えていることもあります。
🔸背景として考えられるもの:
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言葉で気持ちを伝えるのが難しい
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感覚が過敏でストレスを感じやすい
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環境の変化に弱く、不安を感じやすい
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疲れや空腹で限界が近かった
このような場合、**癇癪は“困った行動”ではなく“助けてのサイン”**であることがほとんどです。
感情とのつき合い方を一緒に育てていこう
「わがまま」や「癇癪」は、どちらも子どもが成長していくために必要な経験の一部です。
大人が落ち着いて対応し、気持ちを言葉にするお手本を見せることで、
子どもは少しずつ、自分の感情をコントロールする力を育てていきます。
焦らず、子どものペースに合わせて関わっていきましょう。
おわりに:困った行動の奥にある「伝えたい気持ち」を見つけよう
子どもの困った行動の奥には、いつも**「伝えたい気持ち」や「助けてのサイン」**があります。
「これってわがまま?癇癪?」と迷ったときは、
一度立ち止まって、子どもの視点に立って考えてみることが、対応の第一歩です。
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