はじめに|「スプーンが使えない…」には理由があります
「スプーンがうまく使えない」
「1歳半なのにまだ手づかみ」
「こぼしてばかりでイライラ…」
こんなお悩み、ありませんか?
実は、子どもがスプーンをうまく使えないのは、単なる“不器用”ではなく、発達段階や運動の特性が関係していることがあります。
この記事では、
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スプーンが使えない子どもによく見られる6つの原因
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年齢別の発達目安
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ご家庭でできる具体的なサポート方法
をご紹介します。
スプーンがうまく使えない子どもに多い6つの原因
① 発達段階の途中である
スプーン操作の獲得時期には個人差があります。
一般的には、1歳半ごろから使い始め、2歳〜3歳ごろに上達しますが、それ以前では“まだ練習中”という状態です。
② 手先の巧緻性(こうちせい)の未熟さ
スプーンを使うには、指先の力加減、手首の角度、腕の動かし方が必要です。
**発達性協調運動障害(DCD)**などがある場合、動作がぎこちなくなることがあります。
③ 姿勢が安定していない
背もたれのない椅子や、足が浮いている状態では姿勢が安定せず、
スプーンをうまく使えません。体幹の未発達も影響します。
④ 目と手の協調(視覚運動協応)が苦手
「見てから手を動かす」力が弱いと、
スプーンで狙った食べ物をすくったり、口まで運んだりすることが難しくなります。
⑤ 発達特性による影響(ASD・ADHD・DCD)
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などの発達特性を持つ子は、
・感覚過敏/鈍麻
・多動・衝動性
・動きのぎこちなさ
などにより、スプーン動作がうまくいかない場合があります。
⑥ 経験不足・成功体験の少なさ
保護者が手を出しすぎたり、失敗体験が多かったりすると、
「やってみよう!」という意欲が育ちにくくなります。
スプーン操作の年齢別の目安
年齢 | 発達の目安 | 保護者の関わり方 |
---|---|---|
1歳〜1歳半 | 手づかみ+スプーンに興味 | スプーンを持たせる・自由に触れさせる |
1歳半〜2歳 | スプーンで食べようとする | こぼれてもOK!見守り中心に |
2歳〜3歳 | 自分で口まで運べるように | 成功を一緒に喜ぶ・補助は最小限に |
3歳以降 | 食べ方に安定感が出てくる | 必要があれば環境調整や支援を検討 |
家庭でできる5つのサポートアイデア
① すくいやすい食材を選ぶ
→ ゼリー、とろみのあるおかずなど、まとまりやすいものから練習
② グリップ付きスプーンを使う
→ 太めで滑りにくい持ち手がおすすめ
③ 椅子と足台で姿勢を整える
→ 足が床につく or 足台があることで安定感UP
④ 遊びの中で「すくう・運ぶ」を経験する
→ 砂場・粘土・おままごとなどで楽しく練習
⑤ 小さな成功体験を積み重ねる
→ できた瞬間を見逃さず、たくさん褒めてあげましょう
よくある質問(FAQ)
Q1. 1歳半でまだスプーンを使えません。大丈夫ですか?
→ 多くの子はこの時期が「練習中」です。焦らず、少しずつ慣れることが大切です。
Q2. 3歳になってもスプーンが使えないのは発達の問題?
→ 必ずしもそうとは限りませんが、気になる場合は児童発達支援や作業療法士に相談してみましょう。
Q3. 毎回手伝ってしまいます。見守った方が良いですか?
→ はい。「失敗してもOK」と思える環境をつくることが、練習には効果的です。
まとめ|「できない」は“困っている”のサインかもしれません
スプーンが使えないことには、子どもなりの理由があります。
「なぜできないのか?」を見つめることが、支援の第一歩です。
ご家庭だけで悩まず、必要に応じて支援機関や専門職にご相談ください。
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