ブログ

🎃発語を促すハロウィン療育法【ことばの発達支援】

ハロウィンの時期になると、子どもたちが元気に「とりっくおあとりーと!(トリック・オア・トリート)」と言う姿をよく見かけますね。
しかし、発達支援や構音練習を行っているお子さんの中には、この言葉をうまく発音するのが難しい子もいます。

実は、「とりっくおあとりーと」は発語を促す療育の題材としてとても優秀なんです。
今回は、「なぜ難しいのか」「どう練習すれば良いのか」を分かりやすく解説します。


🟣「とりっくおあとりーと」が難しい理由

① 外国語の音が多い

「トリック」「トリート」には、日本語にない音(r、t、kなど)が含まれます。
日本語では使わない舌の動きや息の出し方が必要なため、発音が難しく感じられるのです。

② 音の連続が長い

「とりっくおあとりーと」は一息で言うと7音節以上。
音のリズムや区切りをとらえるのが難しい子にとっては、長いことばは特にハードルが上がります。

③ 子音の切り替えが多い

「ト」「リ」「ク」「ト」「リ」「ト」など、子音が連続して登場。
構音障害や運動面に弱さのある子は、口の動きを素早く切り替えるのが大変です。


🟣ハロウィンで楽しく発語を促す療育方法

① 音を分けて少しずつ練習

最初から「とりっくおあとりーと」と言わせるのではなく、段階を踏みましょう。

  • Step 1:「とりっく」だけ言ってみる

  • Step 2:「とりーと」だけ言ってみる

  • Step 3:「とりっく」と「とりーと」を順番に

  • Step 4:「おあ」を間に入れてつなげる

👉 ポイントは、「短く・リズムよく・楽しく」です。


② リズムとジェスチャーを取り入れる

🎵 手拍子をつけて
「ト・リッ・ク オ・ア ト・リート!」
と、テンポに合わせて練習するのがおすすめ。

🖐 ポーズも加えると記憶に残りやすくなります。

  • 「トリック」→ いたずらポーズ

  • 「トリート」→ お菓子をもらうジェスチャー

音×動作の組み合わせで、発語がスムーズに出やすくなります。


③ ごっこ遊びで「ことばのやりとり」を育てる

「トリック!」
「オアトリート!」

このかけ合いを、ことばのキャッチボール遊びとして取り入れましょう。
大人が「トリック!」と言い、子どもが「オアトリート!」と返す。
楽しく発語を引き出せるだけでなく、「順番に言葉を交わす力」も育ちます。


④ 鏡を使って構音をサポート

言いにくい音がある場合は、口の形と舌の位置を見せてサポート。

  • 「ト」…舌を上の歯の裏につけて、息を前に出す

  • 「リ」…舌先を少し丸めて、上の歯の裏に近づける

  • 「ク」「ト」…息を勢いよく出して音をはっきり

鏡を見ながら「まねっこ発音」をすることで、口の動きが視覚的にわかりやすくなります。


⑤ 成功体験をたくさん積ませよう

「とりっくおあとりーと!」と言えたら、お菓子を渡して「すごいね!」とたくさん褒めましょう🍬
楽しい体験と発語が結びつくことで、ことばへの意欲がどんどん高まります。


🟣わかりやすいまとめ

難しさの理由 療育の工夫
外国語の音が多い 音を分けて練習する
音が長い 手拍子やリズムを使う
子音が多い 鏡で口の形をまねっこ
意味が抽象的 ごっこ遊びで具体的にする
発語への意欲が弱い 褒めて成功体験を積ませる

ハロウィンをきっかけに、楽しく発語を引き出していきましょう🎃


🟣おわりに

「とりっくおあとりーと」は、言葉を学ぶ子どもにとって、
・リズム
・音の操作
・構音練習
・模倣
のすべてを遊びながら体験できる絶好の教材です。

特別な道具がなくても、お家や施設で簡単に実践できます。
楽しいハロウィンの季節を、発語支援のチャンスに変えてみてください👻

施設のお問い合わせはこちら

無料見学申込はこちら